公開日: : 最終更新日:2014/08/05
クレジットカードの誕生史
「たかがカード、されどカード」という言葉がよく耳に入ります。この『カード』は勿論クレジットカードを意味しています。あなたが旅行をする場合を考えてみましょう。
ホテルの予約にはほとんどの人がクレジットカードの番号の世話になっているといわれています。クレジットカードの普及には目覚しいものがあります。このクレジットカードはいつごろ世の中に出てきたのでしょうか。
いろいろな説がありますが、その歴史を調べるには、まず、カードの定義をしっかり固めておく必要があります。「クレジット、すなわち信用」(cred、ラテン語で「われ信ず」の意味)」の機能を持っているがまだ「クレジット」という名前で呼ばれていない「カード」と 表面に「クレジットカード」という名前が刷り込んである「カード」との誕生にはかなりの違いがあります。
前者は約100年前から登場しました。このカードをめぐる動きが徐々に「クレジットカード」に変貌してきて、約60年前に後者の誕生となりました。前者は日本と米国で、後者は米国で生まれまもなく日本にやってきました。
ここでは、この根っこの動きを無視して「クレジットカード」というバラの花の誕生のみを追うのは意味がないと思いますので、根っこも花もとげもまとめてその足取りを追って見ましょう。
なお、「クレジットカード」という言葉そのものは、1887年にEdward Bellamyが出版したユートピア小説「Looking Backward」で頻繁に使われいますが、これは当時の夢物語です。本項とは関係ありません。
以下、米国と日本に分けて根っこに遡って それぞれの誕生史において主な出来事を時系列に沿ってを追って見ましょう。
米国
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1910~1920年ごろから、石油業界やタクシー業界において、厚紙製(91ミリX143ミリ)のカードが使われるようになりました。そして様々な企業がツケ売りを発展させていく上で、個人情報を把握し、信用販売を円滑化するための工夫がいろいろと加えられてきました。
当時、これらのカードは、フランク、コイン、あるいは チャーガプレートと呼ばれていました。 -
1915年、 Western Union Co.(金融・通信会社)が厚紙製のクレジットカードサイズ(91x143ミリ)のカードを発行。表面に記載した会員が一定条件の下で電報を発信することができました。1950年、最初のクレジットカード専業会社 Diners Clubが設立されました。
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1951年 Franklin National 銀行が、銀行として初めてのカード型のクレジットカードを発行。
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1958年 Bank of Americaがクレジットカードを発行しました。これがVISA International (現在 Worldwide)の前身となりました。
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1958年 American Express(AMEX)がクレジットカード業務を開始しました。
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1966年 Chase Manhattan銀行を中心に複数の銀行がInterbank Card Association (ICA)を設立しました。これが後日Master Chargeと名前を変え、
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1970年 さらにMasterCard International(現在worldwide)と名前を変えました。
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1985年 Discover Cardが設立されました。
いかがでしたでしょうか?
それでは次ページにて、日本の誕生史もご覧下さい。
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