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公開日: : 最終更新日:2015/01/21

電子マネー

まえがき

先に「銀行離れ」の項で触れました電子マネーについて、少し詳しく触れて見ましょう。最近、電子マネーが急速に発達しきて、とてもその全容を掴むことはできません。

代表的な電子マネーを10っこピックアップして、いろいろな角度から眺めてみました。ピストルや機関銃の話まで持ち出しました。理解していただく一助になれば、との一心です。

1. 電子マネーとは

(1)電子マネーは次のとおりいろいろな角度から定義されています。

  1. 現金や小切手、クレジットカードなどの決済手段がこれまでは果たしてきた役割を電子的に代替するデバイス。
  2. 情報通信技術を活用した、企業により提供される電子決済サービス。
  3. これまで実社会において、貨幣によってやり取りされているところを電子的なデータ通信によって決済する手法。
  4. ネット通販での仮装マネー的な決済サービス。

(2) 電子マネーの決済方式

電子マネーによる決済方法は以下の3つです。

  1. オンライン方式
    金融機関、クレジットカード会社、電子マネーのサービス運営会社のホストコンピュータと、小売店等の決済用端末を接続して決済を行う方式。
  2. オフライン方式
    金銭価値を電子化して磁気カードやICカードに収納し、小売店等の決済端末によりオフライン決済を行う方式。
  3. 仮装通貨方式
    コンピュータネットワーク間の取引に限り仮装クーポンを利用して決済する方式。

2. 前払いと後払い

電子マネーの仕組には、先払いと後払いという2つの支払い方法があります。先払いとは、さきに現金を払い込んでその価値を電子的に電子マネーカード格納しておき、必要に応じてその価値を読取り機を通じて(現金化して)支払う方法です。これを先払い方式と言います。

6連発の回転式拳銃と同じです。さきに弾をこめておくわけです。後払いは、クレジットカード利用の場合と同様、支払代金が後日請求され、あなたの銀行口座から自動引落しとしで支払われる方式です。

連発銃の弾倉と同じです。この2つの支払方式に加えて、オートチャージによる自動入金方式も併用されています。機関銃です典型的な例として、PASMOとJR駅の改札口を思い浮かべてください。

通過するたびに、PASMOに格納されている通貨価値が切符代金に応じて引き落とされていきます。残高が少なくなって切符代金が払えなくなると自動的に通貨価値が補充されます。

その補充代金はクレジットカードの利用代金と同じ要領で、後日請求されて自動引落としされます

3. 集積回路

Integrated Circuit。特定の複雑な機能を果たすために、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデサーなどの電気部品を、シリコンやカリュウム砒素でできている半導体チップの上にまとめ、金属の薄い膜で配線して作った電子回路を集積回路といいます。

ICチップというのはその総称です。一つの半導体チップの上に1,000個以上の電子部品が集積されています。 1960年代初め、テキサスインスツルメント社のジャック.キルビーと、フェアチャイルド社のロバート・ノイスとの間で特許権をめぐり争いがありましたが、ノイスの勝ちとなったそうです。

4. 電子マネーの誕生


国際的には、1995年7月、英国のNational Wsestminster Bank, Midland Bank 、British Telecom社が共同で設立したMondex社が開発した電子マネー「モンデックス」が始まりと言われています。

オランダのデジキャッシュ社、米国のサイバーキャッシュ社がMondexに続きました。日本では(いくつかの説がありますが一つだけ紹介します)、2001年11月、ソニーの子会社ビットワレット社が、Felicaを搭載した電子マネー「Edy」のサービスを開始しました。

これが日本における電子マネーの始まりです。その後JR東日本がSuicaを、また、2007年に入るとPASMO, nanaco, WAONなどの電子マネーが市場に参入してきました。

5. 電子マネーの特性

5つの特性を持つと言われています。

  1. 小銭を不要とする
  2. 誰でも持てる(年齢や所得制限なし)
  3. 匿名性がある
  4. 所有者の信用照会が不要
  5. 他の機能と容易に組み合わせることができる

6. 代表的な電子マネーと名前の由来

名称 サービス開始日 後払/前払 運営会社
①エディ Edy  01年11月 前払い ビットワレット
Euro, Doller, Yenの頭文字
②イコカ  ICOCA 03年11月 前払い JR西日本
IC Operating Cardの略語、関西弁の「行こか」に掛けた親しみ易い名。
③スイカ  Suica 04年3月 前払い JR東日本
Super Urban Inteligent Card の頭文字、「スイスイ行けるICカード」
④ピタパ  PiTaPa 04年8月 前払い スルット関西協議会
Postpay IC for Touch & Pay ピタッとタッチしてスルット改札口を通る。
⑤クイックペイ  QUICPay 05年4月 後払い JCB
レジの支払いが速やか
⑥スマートプラス SmartPlus 05年8月 後払い 三菱UFJニコス
技術仕様の名前。
⑦アイディ iD 05年12月 後払い NTTドコモ
身分証明identity の最初の2文字、早くて便利なIC支払。
⑧パスモPASMO 07年3月 前払い パスモ
PASSNET(パスネット協議会)のpass と「もっと」のmoreの組み合わせ。電車も、バスも、あれも、これも、利用できる。
➈ナナコ  nanaco  07年4月  前払い IYカードサービス
セブン&アイ ホールディングスの「セブン=ナナ」とコインの「コ」の組み合わせ
⑩ワオン  WAON  07年4月  前払い イオン
いろいろな音が調和して奏でられる妙なる響き、和音

7. 電子マネーの入金方法

最初にて絵に入れるときは、一定額を現金で前払いします。

  1. Edy・・・・店員に声を掛ける。Edy チャージ機を利用
  2. ICOCA・・乗り越し精算機、緑の窓口の入金機を利用
  3. Suica・・・駅の自動券売機、乗り越し清算機を利用
  4. PiTaPa・・駅の券売機で現金でチャージ、オートチャージ機能もある。
  5. QuicPay・事前の入金不要。対応するクレジットカードが必要。代金はクレジットカード利用代金と合算して後払い
  6. SmartPlus・・同上
  7. iD・・・・・・同上
  8. PASMO・・駅の自動券売機を利用、改札機でオートチャージ
  9. nanaco・店内のレジ、セブン銀行ATM、nanacoクレジットチャージに事前登録
  10. WAON・店内のレジ、WAONチャージ機、イオン銀行ATM、自動チャージ可能

8. 電子マネーを規制する法律

現在、直接電子マネーを規制する法律は、プレペイドカード法と電波管理法の二つの法律です。電子マネーは預金ではありませんので預金保険法の適用はありません。

電子マネーを間接的に規制する法律は、出資法、銀行法、外為法、紙幣類似証券取締法などがあります。電子マネーを規制しようとする当局の動きはつぎのとおりですが、いずれもこれまでのところはっきりした結果を出していません。

  1. 1996年~1998年…旧大蔵省「電子マネー及び電子決済に関する懇談会」
  2. 1997年…日本銀行「電子決済技術と金融政策運営との関連を考えるフォーラム」
  3. 199年~2002年…首相官邸「高度情報通信社会推進本部」、「総合規制改革会議」の電子マネーに関する提案
  4. 金融庁の金融審議会金融分科会 「情報技術革新と金融制度に関するワーキンググループ」と「決済に関する研究会」

9. 電子マネーの市場規模

時系列が揃った電子マネーの統計は見つかりません。ネットで検索して時々出てくる統計は断片的なもので統計とは言いがたいですが、それでも電子マネーの成長振りを示す電子マネーの伸びを推定することは可能でしょう。

  • 2005年度(ネット検索)総計…3兆4,202億円(うち、交通系…2兆1,307億円)
  • 2013年度 決済サービス市場…73兆5,314億円(うち、クレジットカード…57兆7,000億円)
    電子マネー…4兆910億円

2013年の数字は、富士キメラ総研が2014年10月8日に発表した「電子マネー関連ビジネス市場調査要覧」の計数です。

10. 電子マネーをめぐる犯罪

警察庁の平成26年版「情報セキュリティ調査研究報告書」によりますと、電子マネーに絡む犯罪は次のとおりです。

  1. 漏洩・盗聴
  2. 改ざん・・・・データを改ざんして恐喝に悪用する。
  3. なりすまし・・他人のクレジットカード番号の不正利用によるなりすまし。
  4. 事後承認・・・送信元の痕跡を残さずにデータを改ざんできることを悪用し、送受信者が後になってその事実を否定したり、内容が改ざんされていると主張する。
  5. 暗号の不正利用・・不正行為情報を暗号化して流す。当局追跡困難。
  6. 電子マネーそのものの窃盗・強奪など
11. 電子マネーの将来性

政府当局、日本銀行、学者、シンクタンクの見解がいろいろ発表されていますが、共通点をまとめると次のとおりとなります。

  • 現在はまだ小規模にとどまっている。
  • いずれ経済の仕組に影響を与えることとなろう。
  • 今後の動きを注意深く見守りたい。
  • 電子マネーは、読取り機などのインフラ設備が整ってくると、決済金額が大きい企業間取引にも利用され、現在の決済の仕組にかなりの影響を与えることとなろう。
  • 電子マネーの本格的普及にはまだ相当の期間が必要。

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