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オーソリゼーションと信用照会端末

Ⅰ オーソリゼーション

1. オーソリゼーションの説明

貴方が東京のある有名な商店街にある貴金属・時計店の店主であると仮定しましょう。お店にぶらりと外国人客が入ってきてあれこれ物色し、宝石をちりばめた腕時計を指差しクレジットカードを差し出してきました。数十万円もする高額な商品です。クレジットカードは勿論後払いです。

貴方の頭には、昨日読んだ高額カード詐欺事件の話が浮かび上がります。客はなにやらわけの分からないことをペラペラとしゃべっています。客を信用する術は何もありません。

この場面における貴方の窮状を救ってくれるのが、このオーソリゼーションです。貴方は差出されたカードを受け取り、信用照会端末に差し込みます。

瞬時にカード会社から、取引OK あるいは NO などの簡単な返事が送られてきます。OKの場合は、貴方は喜んで腕時計を客に渡し、客はサヨナラと言いながら店を出て行きました。イッチョ上がり!、売上が伸びました。

オーソリゼーションとは、カードの持主の信用等をカード会社に尋ね、客との取引に応じてよいか否かを事前に尋ねる仕組のことです。店側が、このカードの持主は本人か、カードは有効か、取引金額は与信限度以内であるかどうか、などを照会し、カード会社が返事する電子的な仕組です。

円筒形の筒そして、この筒を10数枚の濾過紙が輪切っている形を想像してください。一枚、一枚の濾過紙にはそれぞれ次のような役割が課されています。

  • 一枚目…本人確認
  • 二枚目…カードの有効期限
  • 三枚目…特殊番号チェック(カードの有効性)
  • 四枚目…無効カードのチェック
  • 五枚目…与信限度
  • 六枚目…早期警戒システム(スリーピングカードの使用など)
  • 七枚目…カードヒストリーのチェック など。

筒の上から泥水(客が差出したクレジットカード)を注ぎいれます。水は濾過紙を次々とくぐりぬけて、最後に筒から吐き出されます。濾過紙の枚数が多ければ多いほど澄んだ水が吐き出されます。

この吐き出された水を見てカード会社は加盟店に対して返事をするわけです。返事に内容は、継ぎの4つです。OK以外の返事が来たときは、110番する必要があるケースもあるでしょう。

  • OK…クレジットカードに問題なし、取引に応じて結構です。
  • NO …取引してはいけません。
  • コールミー…至急電話してください。
  • ピックアップ…問題あり、カードを取上げてください。

2. オーソリゼーションの縁の下の力持ち

このオーソリゼーションの仕組を支えているのが CAT/CAFIS体制です。カード業界の礎石です。このCATを首めとする信用照会端末とCAFIS回線が登場したのは1980年代の初めごろでした。

それ以前は、オーソリゼーションの照会はすべて電話に頼っていました。さらに、店側は客に伝票にサインするように頼み、そのサインがカードの裏の書名欄に記入されているサインと同じかどうかを確認する必要がありました。

店員は、筆跡鑑定の訓練を受けた警察の鑑識官ではありません。署名を見比べる、ましてや横文字の署名など識別するのは大変難しいことです。客が立て込んでいるときは待たされて怒鳴りだす客もありました。

電話でOKとなると、OK番号をもらい客に品物を渡し、それから、売上伝票にOK番号を書き込み、一日の売上伝票をゴムひもでくくり、カード会社に郵送します。

数日後やっと売上代金がカード会社から支払われてきます。偽造カードが恐ろしい、カードは手間暇がかかる、と文句を言ってお店がクレジットカードによる取引を嫌ったのは当然のことでした。

CAT/CAFISが登場してからは、CATを設置できないような辺鄙な場所を除き、この煩雑な手続は一掃されました。信用照会も伝票の整理も代金に支払いもすべて電子的の行われ、人手を煩わせることはなくなりました。

ところが、この便利な制度使っているうちにいろいろ不便な点が出てきました。沢山の店から信用照会が殺到し回線がパンクする、クレジットカード会社が回答してこない(中南米諸国では、シエスタという昼寝をする習慣がありまっす)などの問題です。これを解決するために次ぎのような工夫が考え出されました。

  1.  Floor Limit
    カード会社と加盟店の間であらかじめ一定額を約束をしておき、取引金額が一定額、たとえば10,000円以下の場合は、信用照会はしなくてもよいという申し合わせ。この金額は、カード会社が決めるもので、ある加盟店に対してはFloor Limit ゼロ(全件オーソリ)と決める場合もあります。。これに対し一定額以上の取引だけにオーソリを求めるのを部分オーソリと称します。
  2. Limit One
    回線にトラブルが発生した場合に備え、カード発行会社(イシュア)
    が加盟店の相手をするカード会社(アクワイアラ)に対しあらかじめ許可を与え、一定の枠内でOK回答を出してよい、とする制度。
  3. Stand-in Parameter
    オーソリ照会への回答が遅れた場合(タイム・アウト)に備え、イシュアが回線内に仕込んでおく一定の指図書。

信用照会に対しOKを出した場合の法的な効果は次ぎの二つです

  1. カード発行会社はその取引になんらかのトラブルが発生した場合、全責任を負う。
  2. 加盟店とアクワイアラは、その取引に関連してチャージバック(後で詳しく説明します)されたときは、全責任を負うことになります。

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