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公開日: : 最終更新日:2015/03/26

8年前に取得した特許

「電子記録債権法」が施行される1年前の平成19年(2007年)9月に、私は「仕入業務支援方法およびシステム」と題し、企業間取引の電子化(カード決済)に関する特許を取得しました(特許第4006652号)。

特許申請は平成18年(2006年)12月なので、正確に言えば、「電子記録債権法」が施行される2年前でした。「クレジットカードシステムによる売上債権と仕入れ債務のリアルタイム可視化と与信、および相殺決済」という骨子です。

前記セブンイレブンシステムと似ていますが、決定的に違うのは、セブンイレブンは同社フランチャイズ専用システムであり、私の特許はリアル店舗もネット店舗も含めた業種横断的なオープン系システムであることです。

法律の制定化に向けた動きとは無関係に、自身の長年の業務経験が突如ヒラメキになったのです。まったくの偶然でした。

特許庁に提出したのは厚さ3センチにも及ぶ長文の申請資料ですので、ここではとても詳しく紹介できません。簡単に要約すれば、下図になります。

  1. 小売販売店(カード加盟店)は、消費者(カード会員)との決済を極力カードで行う。
    その販売データは、カード会社(発行会社=イシュア、債権買取会社=アクワイアラ)に日々蓄積される。
  2. 債権買取会社は、所定の日に売上金から加盟店手数料を差し引いて、小売加盟店に振り込む。
  3. 消費者(会員)は、後払いでカード会社に支払う。
    以下のフローは、従来存在しない新しい仕組み仮説として
  4. 小売店はカードでの販売高に連動する与信枠の範囲で、卸企業からカードで商品を仕入れる(担保見合い)。
  5. 債権買取会社は、カード卸金額から手数料を差し引いて卸企業あて先に立て替えて入金する。この場合、卸企業もカード加盟店の立場になる。
  6. 売上債権と仕入債務の同時相殺。カード会社は、小売店と前記②の入金日に同一口座で相殺(ネッティング)精算する。結果として、仕入れ債務は後払いになる。

絵に描いた餅

ザックリの説明ですが、これが特許の骨子です。

正直、8年前に特許になり、直後に発表した論文「スモールビジネスカードの日本版モデルを提唱する」(月刊消費者信用、2008年7月号)のコピーを持ってあちこち説明に歩いたのですが、「素晴らしい発案だが、小売店の総売上に占めるカード取扱額比率が1割しかない日本では、すべて絵に描いた餅だ。

さらに、卸企業がカード会社に加盟店手数料を払う(利益を削る)提案に乗るわけがない」と、どこも取り合ってくれませんでした。

カード会社、銀行、総合商社、データ通信会社・・・。落胆の連続でした。

しかし、その後、PCの普及やECの発展に伴い、ネット通販ではカード決済が普通になりました。

また、新規販路を求めて「MonotaRO」、「DeNA BtoB market」、「スーパーデリバリー」などBtoBポータルサイトも台頭してきました。先進的な卸企業は、販路開拓を効率化するネット販売、貸倒引当金を軽減するカード決済のメリットを評価し、「ネット通販は得策」と認識したのです。

ちなみに、前記論文の中で仮説的に描いた重要プレイヤーのうち、予測以上に的中したのは、カード会社と零細小売店の間に立って加盟店契約を包括的につなぐ“決済代行事業者の急成長”でした。「GMOペイメントゲートウェイ」「SBIベリトランス」などが代表的です。

また、近年、ネットでの小売販売額を担保に、サイト事業者へ仕入れ資金を融資するIT事業者も現れてきました。大手では、昨年スタートした「Amazon レンディング」がそうです。

今のところ、カード仕入れを前提に、カード利用代金を相殺されている決済事業者は表向きには存在しないようです。(いたら、私の特許侵害になります。)

ネッティング(相殺)の現実的威力

近年になって、国民年金から住民税や国民健康保険がネッティング(相殺)されるようになってきました。当初は、強引で不快な思いをされた方もいたでしょうが、慣れると納入の手間が省け、結構便利です。

横文字なので、新しい仕組みに思えますが、実は昔からある「天引き」です。

私自身、自分の工夫でネッティングを7年前から実行しています。顧問報酬を翌月末にいただく個人事業者になって以来、事業経費、生活費ともに基本的にカード払いにしています。

顧問事業は、物販と違い仕入れはありませんが、事務所に関する家賃や光熱費はじめ、通信費、図書費、交際費など運用経費が結構発生します。

ために、口座を分けて「月末締め、翌月27日払い」のカードを極力公私2枚使い分けているわけです。

「理想は、月末締めの翌月末日・同一口座相殺」ですが、残念ながらそういうカードの存在を知らないので、この回転を基本サイクルとしています。

それでも、上表のように収入日と支出日(決済)のタイムラグがほとんど数日になり、擬似ネッティングとなります。実感として、資金繰りが非常に円滑になります。計画的サイクルであり、けっして自転車操業ではありません(笑)。

UCカード HP

顧問報酬(労働債権)とカード利用代金(事業債務)が、一定期間経過後にちょうど相殺されるわけです。前回の本稿で、「後払いの方が健全」と言い切った私の根拠は、ここにあります。

もっと身近な例で言えば、SuicaやPasomoのオートチャージがそうです。残高が不足しないよう、常に抜かりなく事前に現金で十分チャージできていたらよいですが、ウッカリすると予期せず改札ゲートが閉まり、恥ずかしい思いをします。それだけでなく、改札リズムを乱し、後に続く人まで迷惑します。

こういう時、クレジットカードと即座に連動するオートチャージ機能があれば、本当に楽です。残高が不足している場合、その不足分を補う一定額をクレジットカードの利用枠から引き出して、自動改札機が瞬時に相殺してくれるのです。

ですから、後払いのオートチャージ機能は合理的・社会的です。5年間愛用してきて、「調子に乗って電車に乗り過ぎた」と、後悔したことなど一度もありません。

残念ながら、(株)バルクという企業の調査では、オートチャージの普及率は、わずか2割程度だそうで、JRや私鉄のPR不足を感じます。

ちなみに、私の特許は「企業間取引決済のオートチャージ」のようなシステムです。
(詳細は、後述)

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