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楽天カード

まえがき

最近、「楽天」という文字がネット上で頻繁に目に付きます。楽天について私は提灯記事を書くつもりは毛頭ありません。楽天の社長さんとは縁もゆかりもありません。

しかし、楽天カード社の急速な伸びに興味を抱き資料を集めているうちに、楽天㈱の実態に興味が湧いてきました。

クレジットカード論そのものからは少し脱線し、楽天㈱社長の略歴にも触れることとなりますが、参考になることが多いと思われますので、私なりに調べたところを以下に述べておきます。

1.楽天㈱

設立目的と業種は、私のネット検索技術がへたくそなためでしょうか見つかりません。それとも、あまりにも手がけたい業種が多く、目的・業種を一つに絞ることができないからでしょうか。

代りに、同社のトップメッセージとして次ぎの文言が掲げられていました。「インターネットを通じて人々と社会に力(エンパワーメント)を与えることを経営理念とし、世界一のインターネットサービス企業を目指す」

同社は1997年2月7日設立されました。2013年末の資本金1,095億3,000万円です。代表者は代表取締役会長兼社長 三木谷宏史氏です。本拠は東京都品川区品川シーサイド楽天タワーにあります。

2.三木谷宏史社長の経歴

  • 1973年…お父さんがイエール大學研究員となり家族とともに小学校2年生で渡米し、米国で2年間滞在後帰国されました。
  • 1988年…一橋大学卒
  • 同上…日本興業銀行入行
  • 1993年 ハーバード大學経営大学院 MBA取得、この時点で新規事業の立ち上げの夢に日がついたそうです。
  • 1995年…阪神。淡路大震災により瓦礫の山と化した故郷をみて、企業を決意しました。
  • 同上 …興銀を退社し、友人1人とともに楽天㈱を創業して会長に就任にしました。
  • 2008年…フォーブス誌(Forbes, 世界有数の経済誌)・・・ 日本人富豪ランキング8位(38億ドル)と発表しました。
  • 2011年…同上 5位(56億ドル)と発表しました。

3.楽天急成長の秘密は?

急成長の秘密はどこにあるのでしょうか?いろいろ探ってみたところを並べておきます。

  1. 宣伝上手…アッという間に知名度を向上させる手腕
  2. 新しい会社組織の立ち上げが得意である
    PCDA…Plan(仮説)――>Do(実行)――>Check(検証)――>Action(仕組み化)をモットーとしているそうです。
  3. トップのカリスマ性、戦国時代の信長、秀吉、家康を思い出しました。信長と秀吉のミックスタイプと言えそうです。
  4. 喧嘩上手…宣伝の一手段として時々派手にやらかしているようです。
  5. 着実な財務的裏付け…買収、資本・業務提携、提携などを通じて多岐にわたる企業群を傘下に着実に取り込んでいます。
  6. 球団買取…知名度アップに大いに役立っています。
  7. 豊富な資金源を持つ…恵まれた家庭環境で育ッたお坊ちゃんのようですですが、どうしてどうして筋金入りのようです。祖母系は播磨の国山崎藩の1万石の譜代大名でした、明治維新で子爵を付与されています。

4.三木谷社長の喧嘩上手

派手な発言とすばやい引け際で知名度を高めています。

  1. kobo騒動…電子書籍端末「コボタッチ」の不具合をめぐる騒動で、販売初日から苦情が殺到したそうですが、応対のスタンスが有名(notorious)となりました。
  2. TBS問題…東京放送買収騒動 メディア乗っ取りで叩かれて退散したそうです。
  3. Twitter…発言に対し批判が浴びせられたので、問題の言葉を自ら削除しました。

5.楽天傘下の企業集団

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主な連結子会社は以下のとおりで、さまざまな企業を広く擁しています。一つだけの業務に偏らず、バランスがよくあちこち船腹に穴が開いても簡単には沈没しない強みが窺えます。

国内…27社

  • 楽天オークション㈱
  • 楽天リサーチ㈱
  • リンクシェア・ジャパン㈱
  • 楽天カード㈱
  • 楽天証券㈱
  • 楽天銀行㈱
  • 楽天Edy株
  • 楽天イーモバイル㈱
  • ㈱楽天野球団
  • 競馬モール㈱
  • エネルギー需要開発有限責任事業組合
  • 楽天セールス・ソリューション、など

海外…19社

6.楽天市場

  • 1997年5月、当時は人々はネットショッピングなど考えもしなかった時代に早々と、楽天市場を開設し、従業員6名、参加店舗13店でスタートしました。
  • 1998年7月、楽天スパーオークション(現、楽天オークション)のサービスを開始しました。
  • 2001年、年間流通総額1兆円突破を目標とする構想を打ち上げました(当時のグループ全体の流通額は360億円でした)。
  • 2002年、EC事業海外展開スタートし、台湾、インドネシア、ブラジル、ドイツ、ロシア、英国と次々と手を広げています。
  • 2011年、創業14年目で、流通総額1兆円突破しました、参加店舗数38,000店です。

7.楽天銀行

新たな形態の銀行に属するネット銀行です。GMOインターネットとインターネット金融事業における関係強化を目的として資本・業務提携を、また、西日本シティ銀行と包括的な業務提携を維持しています。

  • 2000年1月、日本電子決済企画㈱として設立されました。
  • 2001年6月、商号をイーバンク銀行に変更しました。
  • 2001年7月、銀行業免許を取得し開業しました。
  • 2002年4月、モバイルバンキングサービスを開始しました。
  • 2005年3月、国内信販(JCBと提携)を買収しました。
  • 2006年1月、全銀ネットに接続されました。
  • 2006年、VISA, MasterCard のプリンシパルメンバーとなりました。。
  • 2008年8月、楽天との資本・業務提携に合意しました。
  • 2009年2月、楽天の子会社になりました。
  • 2010年5月、商号を楽天銀行に変更しました。

8.楽天銀行の業態区別

楽天銀行は、金融庁の区別によると新しい形態の銀行とされています。同行の属する業態区分は何でしょうか。その誕生史を辿ってみると、同行は明らかに銀行系です。

しかし、そのように言い切ってよいのでしょうか。同行には銀行系のほか、流通系、交通系、消費者金融系などの血が混在しているようにみえます。

あるカード会社があり、その前後左右、あるいは生い立ち、環境から見てすべて銀行に取り囲まれており、銀行の支配を受け、右へ倣え方式の銀行団の中で営業を続けているのが、通常「銀行系」(=純血種)と称されます。

楽天銀は、前後左右、生い立ち、環境のどこを見ても銀行の影は薄いのです。

たとえていえば、「雑種」「外来種」です。個人信用情報機関のタイプで言うと、楽天銀行は閉鎖的なレンダーズエキスチェンジ・タイプではなく、どの業態にも情報を航海する開放的なクレジットビュロー・タイプです。

9.楽天カード

  • 2001年12月、あおぞら銀行(旧日本再検診用銀行)とオリックス(総合リース企業)と共同で㈱あおぞらカード設立し、銀行系消費者金融として「MY ONE」の名称でローンカード事業を開始しました。
  • 2004年9月、あおぞら銀行とオリックスグループの持分を取得し、楽天クレジット㈱を設立し、MY ONE事業を継承しました。
  • 2010年5月、楽天銀行への商号変更によりMY ONEを「楽天銀行スーパーローン」と改称しました。
  • 2011年6月、 楽天クレジット、楽天グループの楽天KC(休国内信販)の「楽天KCカード」・「楽天MONEYカード」事業に付随するクレジットカード事業を吸収する旨発表しました。
  • 2011年8月、楽天カード、楽天クレジットを吸収し、楽天カード㈱と商号を変更しました。
10.楽天Edy

電子マネーEdyは、ソニーグループとNTTドコモ等11社が出資して設立したビットワレット社の運営の下で広く普及してきましたが、2009年11月18日、楽天がビットワレットを野株式の過半数を取得して連結子会社化し、20012年6月1日に会社名・サービス名を楽天Edyと改称しました。

11.楽天イー・モバイル

2012年9月、楽天とワイモバイル社(2014年6月まではイー・アクセスという社名)とが設立した仮装移動体通信事業者(MVNO、携帯電話等の回線網を他の事業者から借りて自社ブランドで通信新サービスを行う業者)です。Rakuten SUPER WiFiブランドでワイモバイルのLTEサービスを提供します。

12.結び

楽天カード株のクレジットカード取扱高のランキングは、2013年度末現在、クレジットカード主要25社のランク付けで8位となっています(月刊消費者信用2014年9月号)。

同社の創業は前述したとおり2000年初めで、クレジットカード業務が本格化したのは2010年ごろです。

それから僅か数年間で8位(カード取扱高は2兆6,319億円、トップのJCBグループは13兆9,346億円)まで上りつめてきています。

他社の創業が1960年代であることと較べると驚くべき速さです。同社が前述したトップ・メッセージに沿って、さらに新しい戦略の下でどのように伸びていくのか興味あるところです。

同社の血統は銀行系ですがその濃度は薄く、むしろ、外来種系、業態混合型と称したほうがよいでしょう。両国国技館の大相撲は外国人で日本の風習に溶け込んだ横綱たちの奮闘によって現在活況を呈しています。

同社と純血を守ってきた既存大手銀行系カード会社との間の今後の鬩ぎあいが楽しみです。

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