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公開日: : 最終更新日:2015/03/26

商取引カード

私のように「仕入れのない顧問業」なら、自分の工夫でカードを使い分け、資金回転を楽にできます。

しかし、多くの事業者は仕入れが基本です。ですから、多額の運転資金が必要になります。ために、面倒でも掛け買いや手形、借入金などに頼らざるをえません。

実は、ネットサイトでは、経営者の個人カードが仕入れに多く使われています。カード
会社は表向きには認めていませんが、底堅い需要があるので、黙認しています。ただし、個人としての利用枠内ですが。

もし、公式の仕入れ用カードが普及したら、非常に価値があると思いませんか?

ちなみに、カード先進国のアメリカでは、一般的な仕組みの商取引カード(コマーシャルカード、スモールビジネスカード)が手軽な金融支援システムとして、銀行主導で20世紀末から急成長してきました。

2008年のリーマンショックで不良債権が多発し、ペースダウンしましたが、それでも需要は旺盛で、7,300億ドルもの巨大な市場を形成しています。( 株式会社グローバルインフォメーション HP

残念ながら、日本では行政指導によって銀行とカード会社が別の歴史を歩んだ背景もあり、商取引カードに取り組んできたカード会社はごく少数です。

私の知識の範囲では、オリコの「日本橋横山町奉仕会YHカード」は、繊維問屋仕入専用カードとして30年の
歴史をもち、貴重です。

クレジットカードは、もともと無担保・無保証人・無金利が基本ですから、安定した給与生活者を想定して設計されています。ですから、決済単価の高い商取引与信で、もし1社でも数千万単位の焦げ付きが出たら、たちまち薄利が吹っ飛んでしまいます。

従って、この領域に慎重なのはやむをえませんが、一定範囲のビジネスローンには各社きっちり取り組んできました。

しかし、2010年完全施行の改正貸金業法は、「総量規制と金利規制による消費者保護」という大義名分で、ノンバンクの手軽な事業金融まで塞いでしまったのです。(下記は、「帝国データバンク2015年2月報」から抜粋)

 カード取扱額連動与信とは?

私は、アベノミクスに期待しています。しかし、今のところ、成長軌道に乗り始めたのは一部の大企業だけです。「やる気のある零細企業を公平に救う日本独自の金融システムの構築」こそ、日本再生の必須条件ではないでしょうか?

私が8年前に思いついたアイデアが特許になった先進性のひとつは、「事業規模と信用性を切り離し、カード取扱額の実績を与信判断根拠とした=公平性の確保」です。(下図)。

総売上が少ない零細事業者であっても、カード取扱比率を上げれば利用枠は大きくなります。逆に、大きな事業者でも、カード取扱額が少なければ利用枠は小さくなります。

私の業務経験では、カード利用比率は、店舗経営者の意識が大きく影響しますので、その努力に報いる実績主義です。

特許のもうひとつの骨子は、既に図解しましたように「カード売上債権は担保性を帯び、当店の承諾をもとに毎月のカード仕入債務と同一日・同一口座相殺決済する」ことです。これで、小売店の利便性を上げ、カード会社の貸し倒れリスクを抑制できます。

ここまでの説明で、クレジットカードの与信枠内で即座にオートチャージされるSuicaやPasomoになぞらえて、「企業間取引のオートチャージ」と比喩した理由がお分かりいただけたのではないでしょうか。

別の展開イメージ

セブンイレブンほどのスケールではなくても、一般的なフランチャイズシステム、例えば学習塾での教材と月謝収入をカード決済した場合のロイヤリティ精算を例に、導入イメージを描いたのが下図です。

フランチャイズ本部は、自前の決済システムを持たずとも、カード会社が小売店との間に立って精算の代行を行うのです。

受験塾であれ、英語塾であれ、音楽塾であれ、有名な学習塾の月謝収入は相対的に安定している場合が多いので、カード会社もリスクが少なくてすみます。

とりわけ、月謝決済をすべてカード化するための道具立てが揃う時代が遂にやってきました。

クレジットカードに加え、カード嫌いな人、シニア、未成年、無収入の人でも使える汎用型ブランドデビットカード、ブランドプリペイドカードという最新のツールを付加すれば、月謝の100%カード決済も可能です。

(機能の詳細は、昨年7月掲載「今さら聞けない カードって何?(後編)」の対比表をご覧ください)

特許の社会的意味

あらためて、私の特許の当事者メリット・デメリットを整理すると、下表になります。

卸加盟店 小売加盟店 消費者(会員) カード会社
資金繰り
新規顧客獲得 ◎(特に、ネット) ◎(カード利用環境の改善)
売上 ◎(卸先数増) ◎(商品力の向上) ○(購買意欲)
利益率 △(加盟店手数料) ◎(運転資金調達金利が解消) ◎(カード利用ポイント) ◎(新しい加盟店手数料収入)
与信公平性 ◎(カード取扱額連動、実績本位)
貸し倒れリスク ◎(貸倒引当金との相殺) ○(担保みあい)
顧客データ活用 ◎(100%加入)

「そんなに凄いメリットがある特許なら、なぜ特許取得から8年近くなった現在も、実用化されていないのか?」といぶかる方も多いでしょう。そのとおりです。

実は、このような装置を動かすには、最低億単位のシステム投資と、数十億円の回転資金が必要なのです。私のような零細事業者が到底捻出できるレベルではありません。

しかし、既存インフラを持つカード会社が、広範囲の既存販売ネットワーク(特約小売店)をもつ大手卸事業者や、大手フランチャイズ本部と手を組み成功事例を積めば、一気に普及の加速がつくと確信しています。

まとめ

私の構想は、発案当時は確かに“絵に描いた餅”でした。だから、特許になったとも言えます。発明とは、絵に描いた餅から始まるのです。

あれから8年、時代は徐々に実現の方向に向かっています。企業間取引の電子化=キャッシュレス化は時代の要請です。

実際に、セブンイレブンのキャッシュレスシステムは、地域の零細な酒店・雑貨店を近代的なフランチャイジーとして再生した歴史があります。街の活性化をもたらしました。そして、一般消費者に多くの恩恵を与えました。

すべては、つながっているのです。

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  • クレジットカード業界の健全な発展を願ってやまない元業界人。
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